2005年01月13日

救援の手が届かないビルマ人被災者たち

救援の手が届かないビルマ人被災者たち
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日本が2億5千万ドルの支援を表明した1月6日のジャカルタでの緊急首脳会議で、ビルマ(ミャンマー)のソーウィン首相は、ビルマ国内の死者は64人、負傷者56人、被災村落29カ村、住居喪失者3205人と発表した。

そして席上「被害は軽いので海外からの支援はいらない。他国にまわして欲しい」という「ご立派な」発言を行なった。

しかし、タイ南部のビルマ人移住労働者にはおびただしい死者が出ており、ビルマ軍事政権は海外で被災した自国民の救援は一切行なっていない。

インドネシア軍にブロックされて救援を受けられないアチェの被災者が大きな国際問題になろうとしている。

今、タイで困難に遭遇している多勢のビルマ人移住労働者についても、同様に注目されなければならない。
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▼タイにいる大量のビルマ人被災者はどうしているか

現在移民労働者としてタイ政府に登録しているビルマ人は約6万人。さらに登録せずに働いている人々は数10万人いると見積もられている。今回の津波の被害が大きかったプーケットや、木材の集積所として有名なラノン、あるいはその近隣のゴム・プランテーションなどの沿岸部は、移住労働者が数多く集まっている地域であり、ビルマ人労働者が多数被災している。

ビルマ人移動労働者を保護する活動を行なっているビルマ人権教育協会(HREIB)が集めた被害報告によれば、これらの被災地域で死亡したビルマ人は500人。少なくともまだ2500人が行方不明だという。

HREIBはタイ在住のビルマ人によるNGOで、国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)の支援を受けて設立されている。

http://www.iuf.org/cgi-bin/dbman/db.cgi?db=default&uid=default&ID=2739&view_records=1&ww=1&en=1

▼怖くて救援が受けられない

タイ労働省の4日の発表でも、ビルマ人の死者は302人、行方不明者357人としている。この数は恐らく登録者だけをカウントしたものと思われるが、労働省はさらに津波の影響で2万人以上のビルマ人が職を失っていると報告している。

タイ政府は不法就労者も含めて被災者には一時見舞金と救援物資を与える方針であるが、不法就労が発覚することを恐れていたり、あるいは津波で身分証明書を失くしたビルマ人たちは、救援を受け取ろうとしていない。政府が準備したキャンプにも姿を見せずに、森の中に隠れて自活しようとしているビルマ人が多数おり、栄養不良や病気の危機にさらされている。

こうした混沌の中でいくつかの心配な報告がなされている。

ひとつは名古屋のビルマ民主化支援会に届いたニュースである。

それによれば、タイ政府がラノンでビルマへの帰国希望者を募ったところ、600人が集まった。タイ政府の輸送車でこれらの難民をビルマのコータウンの入国管理局に輸送したところ、「不法な脱国者たちなので、入国させるわけにはいかない」と断り、もし入国したいのならタイのメソットの対面のミャワディーの入管に出頭せよと回答したのである。

ミャワディーに入るためにはさらに北に450キロも離れた地点からとなる。
この600人に対してビルマ政府もタイ政府も輸送手段を提供していないという。その後、この600人はどうなったのだろう。
http://www.scdb.org/topics03.html

▼取り締まりでなく人道支援を

今回のビルマ人被災者に対して、タイ政府は「人道援助を優先し、不法就労者の逮捕を控えるように」と地元警察や入管当局に通達を出している。しかし、この通達はあまり徹底していないらしく、各地の入管によってビルマ人が手入れを受けているという報告が相次いでいる。

たとえばUSAトゥデイの報道によれば、タイの警察は津波の混乱に乗じて盗みや略奪をしているのはビルマ人移住労働者の可能性があるとして、隠れ住んでいるビルマ人たちの捜索活動を行なっている。
http://www.usatoday.com/news/world/2005-01-12-burmese-usat_x.htm?csp=34

本来なら、自国民の保護のために大量に職員を派遣してタイ政府の協力を得ながら、救援活動をするのがビルマ政府に課せられた任務である。しかし、この軍事政権は、「被害は少ない」として何も行なっていないのである。

(c)2005 菅原 秀



posted by 菅原 秀 at 17:13| Comment(2) | TrackBack(1) | アジア基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
救援の手の届かないミャンマー人がいることを多くの人
が知ることは大事なことと思います。
なにかてだてがあればいいのですが。
ミャンマー軍事政権に被災した人達救援の意志がないの
は切捨てですね。タイ政府に知らせ援助を願うのは
いかがでしょう。弱いものは被害者になりがちです。
今より少し強く道を開く努力をミャンマー人にも
願いたいものです。
現地で配ることの出来る人、取りまとめ出来る人が
いれば援助物資を送ることはできるのでしょうが、、。
ミャンマーの記事をhpに乗せました。
ブログはどこがおすすめでしょうか?
双方向性があってよさそうですね。
Posted by 井出芙美子 at 2005年03月03日 22:22
自分の国に居ながらも、被害に遭いました。弱いものはいつも被害者になるのでしょうか。救助の手が届かないのでしょうか。SOS
Posted by モーモー at 2010年12月20日 23:23
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